D.C.WhiteSeason

グラフィック
C−
シナリオ
D+
文章
D+
操作性
C
サウンド
C−
H度
C
総合評価
D

ByCIRCUS

 D.C.の後日談を集めた典型的なファンディスクですが、個人的なイメージはファンディスクというより練習作、もしくはアンソロジー。
 D.C.のメイン原画家だった七尾奈留の代わりに入ったたにはらなつきを始め、シナリオライターにいたっては四人中三人が初お目見えとなる顔ぶれ。
 「新人たちに一度作品を作らせてみよう」みたいな製作者側の意図を感じました。
 値段のわりに内容は軽少淡白、ROMに変なプロテクトまで付いているなどプレイヤーの神経逆撫でする仕掛けが満載の作品です。肝心のシナリオも新人が、正直素人から毛をむしった程度の力量しかなく、D.C.をプレイした人にとってとても納得できるものではないと思われます。
 原画家が変わったせいでCGは違和感満載、サウンドも新たに入ったヴォーカル曲が今ひとつと褒められる所が見当たりません。
 D.C.をやった事がなければ楽しめませんし、D.C.をやった事がある人にはイメージをぶち壊しにする恐れがあるのでお勧め出来ません。要するに「何人も近づくべからず」といった感じです。


以下ネタバレ

 この内容で確か値段が7000円前後しましたからね。ある意味凄い勇気です。(笑) 無料で送られてくるねこねこソフトのファンディスクの方が余程内容充実してます。
 そもそもなんで七尾奈留を原画家から外したんでしょう?複数の方から聞いた話では非常に金に汚い方だというのでその辺の問題でしょうか?
 それはともかく、新たにメイン原画家に据え置かれた「たにはらなつき」
 この人の力量はそんな酷いものではないと思いますが、今回の場合それ以前の問題ですからね。どんなに優れた描き手であろうと、所詮は贋作になってしまうわけです。評価のしようがありません。偽ブランド品に値段が付かないのと同じです。シナリオに関してはすでに述べたように問題外。どこから拾ってきた連中か知りませんが、まったく役に立ってません。シナリオに関してはファンに公募でもした方がいいものが仕上げられたと思われます。
 個人的に一番ショッキングだったのは音夢シナリオ。純一と結ばれた場合も看護婦になるために島を離れているとは……
あれって純一の気を引くための行動じゃ無かったんですね(笑)
 なんつーか、明らかにD.C.って名前だけで売ろうとした作品ですが、一緒に喧嘩まで売ってます。人件費抑えるために一山いくらの新人大量に登用したんでしょうが彼らの能力の有無ぐらい確かめて欲しかったものです。
 結局D.C.の評価を不当に下げただけで終わってしまったソフトです。
 後に、この作品はその後に続く「曲芸商法」の序章に過ぎなかったという事に気付かされるわけですが、それはまた別のお話。