Really?Really!

グラフィック
A+
シナリオ
D−
文章
D−
操作性
D
サウンド
C
H度
B
総合評価
C

ByNavel
 
 Tick!Tack!に続くSHUFFLE!のアフターストーリー第二弾。今回は楓エンド後のお話となっています。
 魔法制御の実験の最中、プリムラの魔力が暴走しその事故に巻き込まれて楓は目を覚まさなくなってしまいます。魔力によって精神に影響を及ぼされた為に。そんな楓を救う為、楓の恋人となっていた稟は幼馴染の「八重桜」や仲間達と共に楓の精神世界へと旅立つ事になりますが……。

 ゲームではバラバラになってしまった楓の記憶を元通りに修正する事が目的となってきます。いくつか現れる楓の過去の記憶の中でキーワードを手に入れ、そのキーワードを間違った記憶の部分で提示する事によって楓の記憶を元通りに戻していきます。そうして少しずつ楓の記憶を修正する事によってストーリーを先に進めていく事になります。分かりやすく言えば逆転裁判のパクリです。
 
 ストーリーは完全に一本道で分岐等は基本的にありません。ただ楓の過去の記憶を順不同でなぞっていく事になるため多少全体としてのストーリーを理解し辛いきらいがあります。SHUFFLE!でも触れられた楓と稟の過去が語られる事になります。

 テキストはライターがあごバリアということで問題外。前半高かったテキストのテンションが後半どんどんと低下していくため読んでいて違和感がぬぐえません。
 また、今回二次ネタを多く使用しているのが目立ちました。前述のシステムと言い、今回そういうコンセプトで作っているのかもしれませんが。あと「こんばんわ」は勘弁願いたいです。

 グラフィックはSHUFFLE!と同じ原画家二人が手がけています。もはやお家芸とも言えるデッサンの狂ったCGはもちろん健在ですが、基本的には魅力的であるといえるでしょう。シナリオが薄い所為かもしれませんが、全体を通してCGがふんだんに使われている印象です。最近の作品は予算削減の為かとかくCGの枚数が不足している物が多いのでこの点ではかなり評価出来ると思います。

 Hシーンがあるのは楓、亜沙、プリムラ、桜、麻弓、撫子の六人。尚、亜沙はロングヘアーバージョン。使いまわしもなく全員が複数回あるのでボリュームとしてはそれなりです。プリムラが成長しているのと麻弓の胸のサイズは気になりましたが……。

 システム面はあまり褒められた物ではありません。BGMの演奏タイミングが遅く、切り替わりの際はっきりとしたラグが生じます。またスキップの遅さも気になります。

 値段のわりにはボリューム不足を感じさせる作品でした。普通にプレイしていれば一日で終わってしまいます。あのテキストをぶっ通しで読む事に耐えられるかはさておき。
 SHUFFLE!プレイは必須で尚且つ楓が気に入った人は買ってみても良いかもしれません。定価で買う価値があるかはさておき。

 以下ネタばれ

 なんかブログの方で言いたい事は殆ど言ってしまったのでさし当たって書く事が無かったりしますが……。
 楓の過去の話と言う事で、アニメ版のような素敵な彼女を期待していたのですが、思いっきり期待はずれでした。恨み辛みといった不の感情の表現が足りません。作中、激情に駆られて稟を階段から突き落とした楓でしたが、全然駄目です。アニメ版の醒めた目でカッターを投げ落とす楓には遠く及びません。楓が主人公を苛め抜く箇所はもう少し尺を取ってしっかりと書いて欲しかったと思うのですが、そもそもブランドとしてのスタイルがそういった物とは対極にありますからね。仕方ないのかもしれません。単純にシナリオライターの力量不足かもしれませんが。
 ルートが楓一本だけというのはかなりマイナスでした。前作Tick!Tack!であれだけむちゃくちゃをしたのだから、今回もあっさりと桜やプリムラに乗り換えるルートがあると思っていたのですが……。特に桜に関してはもっといくらでも活かせそうなキャラクターだったのに、ただのサブキャラ程度に扱われていないのが不遇です。単純にシナリオライターのりき(ry
 しかし、曲芸商法という言葉がありますがNavelもなかなか。なんだかんだ文句を言っても、もしこの先プリムラアフターが出たら絶対に買ってしまうだろう自分が悲しいです。