SHUFFLE!

グラフィック
S
シナリオ
C+
文章
B
操作性
A
サウンド
B+
H度
B
総合評価
B

ByNavel

 新ブランドNavelの処女作は、人間界と繋がった魔界、神界から2人のプリンセス(+バカ親父2人)が幼い日の思い出を手繰って主人公を訪ねてくるところから始まります。

 ストーリーは普通の学園物と大差ないですが、一日ごとに順をおって進んでいくのではなく、イベント部分だけを切り取ったパッチワークのようなかたちで物語は進行していきます。「それは舞い散る桜のように」と同じような方式ですが、スタッフがほぼ一緒なので当然かもしれません。
 この作品が注目を集めたのは、なんと言ってもその美しいグラフィックあってこそのでしょう。2人いる原画家の絵はどちらも非常に秀麗で、キャラクターも大変魅力的なものになっています。
 一方サウンド・文章力は前作とも言える「それは舞い散る桜のように」と比べた場合明らかにパワーダウンしています。(と言っても、それ以外の作品と比べれば十分に優秀な部類ですが)
 サウンドに関しては担当者が自らその事を認めていますし、文章力に関しては前作のメインシナリオライターがライターから降格させられているので仕方ないかもしれませんが、「それ散る」のような、ある種独特のノリの笑いを期待した人には少々物足りない所があるかもしれません。よく前任者を模倣しているとは思いますが、力不足は否めないでしょう。
 シナリオ自体は総じて淡白であまり深いものではありませんでした。またシナリオ、というかゲーム事態がすこぶる短いのはかなりのマイナス要因でしょう。選択肢が少ない上共通パートが多い事がさらに拍車をかけます。パッチワークのようなシナリオ展開だと書きましたが、イベント部分同士の間で若干齟齬があったのも気になりました。
 何よりもキャラクターあっての作品だというのが全体としての印象です。シナリオ自体はおまけという印象が強くあまりこの作品を評価する上での重要なファクターにはならないでしょう。
 魅力的なヒロイン達とサブキャラが織り成す学園生活は見ていて非常に楽しいものです。特にこれと言った欠点も無いのでグラフィックを見て気に入った人はやってみて損は無いと思います。ただしシナリオが弱いことは覚悟しておきましょう。


 以下ネタばれ

 前作のような訳の判らない展開など決して無い非常に安心して遊べる作品でした。また例外無くハッピーエンドというのは、非常に好感が持て、尚且つ安心して遊べるものでした。もっともエピローグも他のシナリオ部分と同様、非常に淡白なのは少々残念でしたが。

 シナリオが弱いのは、キャラクターを前面に出した作品だったのであまり気になりませんでしたが、プリムラシナリオはかなり違和感が残りました。感情を出さない少女が、主人公達に触れ少しずつ感情を表すようになる。ありふれた話ですが別に悪いとは思いません。ただ、急激に変化しすぎだろうよ、をい!?
なにをそんなに急いで……というのが非常に感じたところでした。

 シナリオは総じて早く進みすぎです。もっと本編と関係ないイベントをだらだらと続けるか、特定ヒロインとくっ付いた後に他ヒロインとの絡みが欲しかったです。(どろどろさせろとは言いませんが想いのわりに淡白すぎたので)

 折角色々と面白そうな世界設定を創っているのにそれをイベントに活かし切れていません。
よく発売を延ばすだけ延ばしていざ発売してみたらクソゲーだったなんて事がありますが、この作品ならもう少し制作期間を延ばせばその分優秀な作品に仕上がったと思います。
 色々と文句をブー垂れて来ましたが処女作としてはかなり優秀な部類に入ると思います。次回作以降にはかなり期待が持てます。
しかし、同日に発売されたFateとは色々な部分で対照的な作品でした。Fateがシナリオ重視でグラフィックは論外、そしてやたら長い。SHUFFLE!がグラフィック・キャラクター主体でシナリオが矮小、そしてやたら短い。
特に長さに関しては足して三で割れば丁度いい作品になったのにと強く思います。
何事も程々というのは難しいですね。