Dear My Friend
light 9240円(税込み) 2005年12月9日発売
音声 ディスクレス シーン回数 CG枚数
あり 6回 87枚(差分含まず)
シナリオ
HANABUSA




原画
鳩月つみき

 注:作品データは全てComplete Versionを参考にしています。

 それは、ある冬の日に始まった、淡い青春の物語――。


 主人公の少年――森川恭一は、その街の学園に通うごくごく普通の男の子。
 売れない小説家の父親と看護婦をしている母親に育てられ、真っ直ぐに……とは言えないまでも、取り立てて道を踏み外すこともなく、用意されていたレールの上を走り続ける毎日だった。退屈で、刺激の少ない日常。多少は不満を感じないでもなかったが、友達という名の仲間たちと共に過ごす毎日は、それなりに楽しいと感じられるものだった。

 だが、その日から、彼の生活はほんの少しだけいつもとは違うものになっていく。
 きっかけは、恭一の父親が一人の孤児を自宅に引き取ってきたこと。恭一と同い年で、久城麻衣とかいう名前の、可愛いらしい女の子である。父親曰く、身よりのない彼女の里親になることにしたのだという。

 突然「家族が増えました」などと言われても、恭一には戸惑うことしか出来ない。それは引き取られてきた少女も同じの様子。だから、二人は友達になることにする。一緒に暮らしているとはいえ、友達が増えるだけなら問題はない。そんな風に思いこもうとする。恭一は自分の親友達にも麻衣を紹介し、新たな仲間に加えていこうと試みる。

 一つの変化を除き、何も変わらない日常。
……でも、一つの変化が何かを変えつつあることを、
誰もがひっそりと感じている――。    (OHPより抜粋)


グラフィック
 一枚絵はともかく、立ち絵だと顔のバランスが致命的に狂っています。見ていて気味が悪いくらいに。あとテキストでは貧乳貧乳言っているのに全然巨乳だったりするのはどうなのかと。
 

シナリオ・テキスト
 シナリオは毒にも薬にもならない無難な出来。色々と面白そうな展開が考えられる設定でしたが、何も目新しい展開はありませんでした。萌えゲーとはこうあるべきだという(悪い)お手本を示されている感じ。
 唯一印象に残ったのは一部ヒロインの鬱陶しさ。うざいという言葉がこれほど綺麗に当てはまるヒロインも珍しいのではないかと。
 テキストは面白くも無いしテンポもやや悪いのでキャラクターにのめり込めないとやや辛いです。

 

操作性
 スキップは速くて使いやすいです。ただ、一日が終わる毎に現れる演出をカット出来ないのがストレスでした。


サウンド
 BGMはシンプルな割に音質が悪いので耳障りな事もしばしば。生音源をつかうなんて予算的に無理なんでしょうが、もう少しなんとかして欲しかったです。
 あと挿入歌「たまあひのうた」の歌詞、物凄く無駄に頑張っています。多分ゲームの中で一番力を入れています。歌詞を見てその頑張りように呆れてください。
 


H度
 Hシーンは特殊なシチュエーションとかは一切無く、テキストも平凡。数も少ないのでかなり淡白な印象を受けます。
 他、お色気シーンの類も極端に少ないです。




総評
 とにかく平凡。何処にでもある萌えゲーです。
 実際にはかなり面白くなりそうな設定を色々と孕んでいたのにそれらの一切合財を全て無視したようなストーリー展開にはただただ呆然とするだけでした。腹の中の子はどこへいったのだと小一時間。修羅場とかを色々と期待していただけに肩透かしを食らった印象が強いです。
 逆にそういったものが苦手で普通のほのぼのとした物語を楽しみたい方にはいいのかもしれません。お勧めはしませんが。


以下ちょいネタバレ
 先程少し書いた妊娠についてですが。
 ゲーム開始は二月一日です。で、都香と主人公がエッチしたのは十一月十四日。
主人公と都香がエッチしたのはこの一回だけなわけで。てことは当然妊娠したのはこの時なわけで。ようするにゲーム開始時には都香のお腹には既に主人公の子供が事になるわけで。

 都香ルートクリア後、他のルートではどんな修羅場が展開されるのかとワクワクしていたわけで。


……ねえ、都香のお腹の中の子供は何処へ行っちゃったの?


 
絶望した。修羅場にもなんにもならない展開に絶望した!


 修羅場が無理ならせめて堕胎を暗に匂わす描写ぐらい欲しかったです。都香が暫く学校を休んで、その理由を尋ねられても曖昧に口を濁すとかその程度で良かったんです。
 
 音夢が人知れず枯れない桜の力を使っていたように。雪さんが何も告げずに消えてしまったように。ただそのくらいのさり気ない描写で良かったんです。なのに……。


 萌えゲーという事で出来るだけ無難にさり気なく、プレイヤーから反感を買い難いようなシナリオにしたのでしょうが、妊娠スルーには正直白けました。
 他にも狂っているとか娘に言われた親父さんはあっさり改心するし、結局血は繋がって無いし、あの展開なら冴香とはセフレになってどろどろの三角関係が基本だろうと小一時間。
 
 どこか物足りなさを感じたのは私だけでは無いと思いたいです。