カラフルBOX

グラフィック
B
シナリオ
D+
文章
D
操作性
B
サウンド
D+
H度
B
総合評価
C

Byサウンドテイル

 やたら発売が延びたことが注目の要因となった、サウンドテイル作の恋愛学園物作品です。
 結論からいえば平凡な作品でした(汗)ものすごく酷い作品と言う訳ではないのですが、突き抜けた部分が一つとして見当たりません。万人向けと言えば聞こえは良いですが、この作品の場合、「単純」「退屈」「ありきたり」といった方が的を射ているでしょう。
 私はこの作品を購入するとき、予備知識というものがほとんどありませんでした。なので購入の決め手となったのはパッケージでした。
そこには主人公が一ヵ月後の学園祭の実行委員に任命されたという事が書かれていました。最初は気乗りしなかった主人公も最後にはやる気をだした、と。
 だから私は学園祭に重点を置いた作品だと思い、それを期待して買ったわけです。
 ところが。いざプレイしてみると学園祭ははるか彼方に追いやられていました。勿論学園祭そのものは登場するわけですが、話の中心としてはほとんど機能していないわけです。折角の設定は全く活かされておらず、そのため、ごくごく平凡単純なストーリーにしか仕上がっていません。ヒロインのキャラが濃いのはストーリーが薄い為に施した苦し紛れの付け焼刃という印象です。
 Hシーンは純愛ものとしては多いほうです(結構マニアックだったりしますが)グラフィックは標準程度ですが3Dキャラがいい味出していました。サウンドは主題歌を含めて平均以下。

 総評としては有っても無くてもわからないという感じの作品でした。ものすごく駄目と言うわけではないけれど、決して名作では無い。毒にも薬にも成らないといった風でしょうか。暇つぶしにはなるかもしれませんが、それ以上にはなりえないと思います。


 以下ネタばれ

 先に述べたように学園祭はストーリーの中心から大きく外れた位置にあるわけですが、その代わりに出てきたのが主人公が以前やっていた柔道という設定。
 怪我をした時のトラウマで主人公は柔道から離れるわけですが、本人は柔道に未練があるという設定なので何かにつけてその事で悩むというシーンが出てきます。
 はっきり言って鬱陶しい事この上なかったです。野球やサッカーならまだしも柔道ですからね。そんなむさ苦しいスポーツの筆頭みたいなのをこんなゲームに入れて一体どうしようと言うのでしょうか?理解に苦しみます。
 変なスポコンもどきを取り入れたストーリーは苦痛以外の何物でもありませんでした。シナリオライターは柔道がかっこいいとでも勘違いしているのでしょうか? 世間一般での柔道のイメージなど「暑苦しい」「むさ苦しい」「汗臭い」といったところでしょう。そしてそれは大筋において正しいものです(経験者が言うんだから間違いありません)
 そんなものを無意味(ストーリー上に必然性を認められない)に取り入れるのは、多くの人にプレイしてもらう事を前提に作られるゲームという媒体にあっては独りよがりと言わざるをえません。
 もう一つ気になったのが、文章中に変な言葉がやたら現れる事。具体的には「もーまんたい」と「サムズアップ」なのですが、この二つ、間違っても一般にはあまり浸透していません。なのにゲームの中ではさもそれが普通と言う感じに使われまくっています。一回ぐらいなら良いかもしれませんが、何回も使われるとかなりの興ざめです。この三つのキーワードだけでシナリオライターがかなり自分勝手な人物のように私には感じられてしまいました。

 シナリオライターだけ変えてもう一度作り直せばもっといい作品に仕上がる事でしょう。