こみっくパーティー

グラフィック
A−
シナリオ
B
文章
A
操作性
B
サウンド
B−
H度
B−
総合評価
A

Byリーフ

 F&Cからリーフへの移籍組が中心となって作られたリーフ東京開発室の第一弾作品は、同人誌の世界をコメディタッチで描いた同人誌製作シミュレーションゲームです。
 最初に言っておきますと私は同人誌即売会なるものに行った事がありません。同人誌自体にもほとんど興味がありません。で、その私から見てこの作品は十分に面白いものでした。
 正直、専門的用語でチンプンカンプンな部分もありましたが、ゲーム自体の出来は非常に良く、また、同人誌作成パートも程よいボリュームと難易度で遊べるゲームとしての面白さも備えていました。

 ただ、ヒロインの質はかなり偏りがあります。ほとんどのヒロインが何らかの形で同人誌に対し、積極的・好意的に接している為、私のように同人誌に対して好意的な印象を持っていないプレイヤーにとっては、結構な違和感というか、疎外感があったりなかったり……
 同人誌に対する熱い情熱は判るんですが、理解できない人間にとってはいまいち共感できない部分があったのも確かです。締め切り前の修羅場といわれても想像が及びません。
 どちらかというと私は九品仏大志を筆頭にした濃すぎる人物達が繰り広げるドタバタコメディーとして楽しんでいました。(同人誌に関わっているだけあって、みんなキャラが濃すぎます)燃える様な情熱も見る人によってはギャグにしかならないということでしょう。
 グラフィックは優秀、サウンドも標準を満たす出来だと思われ、同人誌という特殊なファクターを取り入れている事を許容できればかなり楽しめる作品だと思われます。同人誌だからといって毛嫌いせずにプレイする事をお勧めします。もっとも、逆に同人誌に詳しすぎる人にとっては違和感があるのかもしれませんが。


 以下ネタばれ

 身も蓋も無く言ってしまえば葉っぱ印のF&C作品です。
この作品の後に私は以前のリーフの作品をプレイしてみたんですが、そのあまりの毛色の違いに吃驚しました。同じブランドというにはあまりに差異が在り過ぎる気がします。
 で、このゲームを恋愛ゲームとして見た場合、私が一番気に入ったのが、主人公とヒロインがくっついてから結ばれるまでワンテンポ置かれている点。告白してから直ぐにHに雪崩込むのってどうしても違和感があったんですよ……
 もっとも、そのせいでヒロイン全員のストーリーがワンパターン化するという弊害は起こっていましたが……もうちょっとヒロインごとにストーリーにメリハリ作る事が出来ないんでしょうか?
 最後に。このゲームはなんと言っても正ヒロインの瑞希に尽きると思います。他の登場人物がほぼ例外無く同人誌にどっぷり嵌っていて、常人には理解できない情熱を持っているという四面楚歌の中、一人声をはり

「オタクなんて臭くて、汚くて、気持ち悪くて最低!!!」

 と、決して同意を得られない正論を吐き続ける姿は正に一服の清涼剤という感じでした。なので、最後に彼女まで感化されてしまったのは惜しくてなりません。