朱

グラフィック
A
シナリオ
D
文章
E
操作性
D
サウンド
C
H度
B
総合評価
C

Byオーガスト

 今までにリリースした3作品のヒロインが総出演するオーガスト初のファンディスクです。
……なんというか、これを買ってしまったのは私の気の迷いです(汗)
 グラフィックは相変わらずの秀麗さで、ヒロイン達も非常に魅力的(顔みんな同じだけど)なのですが、絶望的に魅力の欠如した文章が全てを台無しにしています。致命的に文才が欠如しているものと思われ、とにかく読んでいて苦痛です。(ここまでつまらない文章を書くのは逆に才能を要する気もしますが)
 まあ、そんな事は「月は東に日は西に」をプレイした時点で理解していたんですがグラフィックと値段を秤に掛けて、つい……
最低ランクの文章の他、システム面でも鈍さが目立ち、プレイしていて非常に不快感が募りました。収録されているミニゲームも目新しいものではなく評価するに値しません。
 CGを見る以外に商品価値を見出だせない作品なので、購入の際はその点を理解した上でレジに並ぶ事をお薦めします。

以下ネタばれ


 以前やった「SS書きに100の質問」というやつに、「萌えテキストは萌え絵に勝てない?」という変な設問がありましたが「萌え絵はヘタレテキストには勝てる」事を一連のオーガスト作品群は示していますね(Canvas辺りもこの類でしょう)

 オーガスト全作品に共通するグラフィックの秀逸さとテキストの醜悪さですが、この最低ランクに属する文章力にもかかわらず、オーガストが それなりの売り上げを維持しているのはひとえにグラフィック、ひいては原画家べっかんこう氏の功績でしょう。
 もう少しきちんとしたシナリオライターと組めばべっかんこう氏の作品がさらなる脚光を浴びることは目に見えていますが、どうもこの業界はビジネスライクに対人関係を形成する人間が少ないようですね。
 考えてみればオーガストに限りません。TYPE-MOON、KEy、エウシェリー。どちらか一方が明らかに足を引っ張っているブランドは多々あり、両者が高レベルというブランドは予想以上に少ないです。残念な事ですが。

 情や義理による結びつきは非常に日本的で好ましくも思うのですが、べっかんこう氏の絵が好きな私にとっては少なからず残念でもあります。