水月 | |||
F&C | 9240円(税込み) | 2002年4月26日発売 | |
音声 | ディスクレス | シーン回数 | CG枚数 |
無し | 可 | 15回 | 69枚(差分含まず) |
シナリオ トノイケダイスケ 原画 ☆画野朗 サウンド おおくまけんいち |
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「遠く波の音を聞きながら、僕は弓を引き絞った」 少女を射抜く夢から醒めて起き上がったのは見知らぬ病院のベッドの上。 目の前に現れたのは自分のメイドだと名乗る少女。 記憶を失い戸惑う主人公と彼を取り巻く少女達。 悲恋の伝説が息づく海辺の街で虚ろな者達が紡ぐ水月の物語は幕を開けます。 グラフィック 原画担当は☆画野朗氏。 ロリ色のつよい☆画野朗の絵ですが、同氏の作品の中では比較的ロリの色合いは弱いほうで誰も彼もがロリに見える、といった事は無いです。 もっとも、ロリキャラの数自体はかなり多いのですが……。 シナリオ・テキスト シナリオは民俗学からの要素を随所に取り入れてあります。 「マヨイガ」を筆頭に遠野物語などから小ネタを拾っているので、読んだ事のある人は作品の感じ方が違ってくるかもしれません。ただし、あくまでネタを拾っているだけです。民俗学のお話じゃありません。 民俗学以外にも、古代史、現近代史関連などを扱っていますがほとんどが出鱈目です。これらはあくまで物語の演出と考えていた方がストレスがたまらなくていいでしょう。正直、深く考察する事はお勧めしません。 テキスト自体の質は並程度ですが、魅力的なヒロインと雰囲気に助けられ読み進めるのに苦痛はありません。 ストーリーは細かい部分に目を瞑れば比較的しっかりとしていますが、基本的にはキャラゲーです。 最強メイドと謳われる「琴乃宮雪」。この作品の人気の大部分は彼女の魅力によって成り立っています。メイド属性の方もそうでない方も、この作品をプレイせずしてメイドを語る無かれ。といった印象です。 また、ロリにも非常に気合入っています。なんか明らかに小○生っぽいのまで混じっていますが……。 操作性 セーブポイントがしおり毎に分かれていて、それぞれのしおりは二十づつしかセーブできません。若干少ない印象です。 スキップはストレスの無いスピード。 それと、テキストを縦書きか横書きが選べます。縦書きの方があっていると思うのでお勧めです。文章自体は縦書き用に書かれたようには思えませんが……。 サウンド ヴォーカル曲はないですがBGMの質自体はシンプルですが雰囲気に逢っていて好印象です。 H度 これはかなりマニアックです。 まず放尿がやたらと多い。好きな人はいいのかもしれませんが、そうでない人にとっては……。 またロリが多いのでそちらの属性が無い人にも辛いかもしれません。 殆どのキャラは複数回のシーンがありますが、実用性には乏しいです。 総評 雪さんの雪さんによる雪さんの為の作品だと思います。 とにかく彼女の魅力に尽きます。主人公に捧げる狂信的な愛はしかし、見る物に恐怖ではなく憧憬を抱かせるに足ります。 ……まあ、それとは別に香坂の姉妹も大好きなんですが。(日焼け痕っていいよね) ファンディスクのみずかべをプレイ後に気付いた事ですが、物語全体に漂う虚ろな雰囲気というのは水月の魅力の少なからぬ部分を占めています。 あまりに完璧すぎて逆に非現実的な雰囲気をかもし出している雪さんなどはその象徴でしょう。 水月の名の通り夢か現か定かでない彼女の不安定さこそがその魅力の源泉だと思います。 |